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横山 彰人; 加田 渉*; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; Shimada, Keisuke*; 横田 佑也*; 三浦 健太*; 花泉 修*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 371, p.340 - 343, 2016/03
被引用回数:6 パーセンタイル:49.05(Instruments & Instrumentation)サイクロトロンでは、数百MeV級の重イオンマイクロビームを用いたシングルイオンヒット技術が生物細胞の照射実験で利用されており、高精度での位置検出が必要である。本研究では、ビーム照射によって誘起される発光(Ion luminescence: IL)を利用したリアルタイム検出法により、CaF:Eu, イメージインテンシファイア(I.I.), 観察用カメラ及び倒立型焦点顕微鏡を組み合わせた発光検出システムを開発した。しかし、位置分解能に関しては、I.I.の映像増強機構であるマイクロチャンネルプレートの直径6m以下にならないことが課題であった。そこで、発光検出システムのI.I.と観察用カメラを、対物レンズの倍率により分解能を調整できる電子増倍型(EMCCD)カメラに置き換える改良を行った。また、発光ピーク波長が435nmのCaF:Euを、EMCCDカメラの量子効率が90%以上の542nmに最も強い発光ピークを持つようにTbを添加した透明なガラス材料(G2000: 住田光学ガラス社)に替えた。この材料の1点を狙って260-MeV Neマイクロビームを3個/秒で照射した結果、隣接する数個のピクセルでILを捕捉できた。その重心ピクセルにおける発光強度は、ノイズ強度の140倍大きいため、1個/秒のイオン照射によるILでも補足可能と判断した。また、重心ピクセルを通る線上(水平方向と垂直方向)の強度分布から得たピークの半値幅は、それぞれの方向で4.5mであった。これは実測に基づくビーム径とほぼ一致しており、改良された発光検出システムはシングルイオンヒットによるILを直径数mの位置分解能でリアルタイム検出できることがわかった。
遠藤 章; Kim, E.; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 2001-027, 62 Pages, 2001/10
高エネルギー中性子スペクトル測定等に用いられている有機シンチレータに対する応答関数の計算には、モンテカルロコードSCINFULが広く利用されている。しかし、SCINFULの機能は、円柱形状のNE213及びNE110シンチレータに対する計算のみに限定されている。本研究では、SCINFULをもとに、幾何形状指定機能及び高エネルギー中性子に対する輸送断面積データを新たに組み入れた計算コードSCINFUL-CGを開発した。SCINFUL-CGでは、検出器形状の指定に、CG (Combinatorial Geometry)による幾何形状指定機能を拡張したMARS-CGを導入するとともに、CGで定義された領域ごとに中性子スペクトルを評価する機能を加えた。また、ガラスシンチレータの主成分である珪素及び酸素,検出器カバーのアルミニウムについて、LA150を用い、100MeVまでの中性子輸送計算の断面積データを組み込んだ。SCINFUL-CGの計算結果の妥当性は、SCINFUL及びMCNPによる計算結果との比較並びに中性子照射実験によって確認した。SCINFUL-CGは、高エネルギー中性子スペクトルメータ、中性子モニタの検出器の設計計算等において有効なツールになることが期待される。本報告書では、開発したコードの概要を述べるとともに、コードの使用方法について説明する。